M&A転職・金融キャリアに関する情報メディア「M&A転職」を運営するアドバイザーナビ株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役:平行秀)は、M&A業界へ転職した経験のある男女38名を対象に「M&A業界への転職に関する実態調査」を実施しました。
転職動機・活動期間・エージェント利用状況・年収変化・苦労した点・求められる人材像まで——今回はM&A転職経験者のリアルをデータと生の声でご紹介します。
本調査でわかったこと
- M&A業界への転職活動は「3ヶ月以内に内定獲得」が55.3%と、短期決戦型が主流
- 選考社数は中央値3社、エージェント利用率は71.1%
- 転職時点で69.0%が年収アップ、転職1年経過後は84.0%にまで拡大
- 出身業界別では金融出身者の年収UP率が85.7%と最も高い
- 転職活動で最も苦労したのは「未経験からの志望動機の言語化」と「業界・財務知識のキャッチアップ」
M&A業界に転職した人はどんな経歴?年代・性別・前職業界
今回の調査では、回答者の78.9%が男性、21.1%が女性でした。年代別では25〜29歳が36.8%と最も多く、次いで30〜34歳と35〜39歳がそれぞれ21.1%。20〜39歳の若手・中堅層で約84%を占める結果となりました。

(図表1:回答者属性 年代×性別/n=38)
前職の業界を聞いたところ、最多は「その他の法人営業出身者」で28.9%。次いで「銀行(都銀/地銀)」が15.8%、「コンサル業界」が10.5%と続きました。信用金庫・証券会社を含めた金融出身者は合計で26.3%。M&A業界への転職は、法人営業経験者と金融パーソンが2大ルートになっていることがわかります。

(図表2:前職業界TOP10/n=38)
M&A業界に転職しようと思ったきっかけは?動機の二極化
Q1「M&A業界に転職しようと思ったきっかけ」を50字以上の自由記述で聞いたところ、回答には大きく「年収・成果主義への期待」と「社会貢献・やりがい」の二軸が浮かび上がりました。
「①年収アップ(成果主義)②自由に働きたい(個人の裁量大きい)③仕事のやりがい(社会的に貢献が大きい)④自身の成長(様々なスキルが身につく)」(20代・男性・証券会社出身)
「自分の努力次第でインセンティブを貰えるというのを、M&A業界に転職した知り合いから聞いたので年収アップのために転職した」(30代・男性・銀行出身)
一方で、事業承継という社会課題への関心から転職を決めた声も目立ちました。
「事業承継に悩んでいる人が周囲にも数多くいましたので、その手助けができるようなことをしたいと思い転職しました」(30代・男性・法人営業出身)
「日本の企業が廃業している中、知財の消滅に危機感を感じ、中小企業の知財を守るため転職しました」(30代・男性・銀行出身)
年収・裁量の魅力と、事業承継課題への使命感——この2つがM&A業界への転職動機を形づくっています。
転職活動は「3ヶ月・3社」の短期決戦型
転職活動開始から内定までの期間を聞いたところ、「1〜3ヶ月」が44.7%と最多で、「1ヶ月以内」も10.5%。3ヶ月以内に内定を獲得した人が55.3%を占めました。活動期間の中央値は3.0ヶ月と、他業界と比べても短期決戦型の傾向が鮮明です。

(図表3:転職活動期間/n=38)
選考を受けた社数は「3社」が26.3%で最多、次いで「2社」が23.7%、「4〜5社」が23.7%。中央値は3社で、6社以上受けた人は10.5%にとどまりました。

(図表4:選考社数/n=38)
ただし、年代別で見ると活動期間には差が生じています。25〜34歳の中央値が2.5ヶ月だったのに対し、35〜39歳は4.0ヶ月、40〜44歳は6.0ヶ月と長期化。若手は短期決戦、年齢が上がるほど求められる実績水準が高くなり、決定までに時間を要する傾向が見られます。
| 年代 | 活動期間の中央値 |
|---|---|
| 25〜34歳 | 2.5ヶ月 |
| 35〜39歳 | 4.0ヶ月 |
| 40〜44歳 | 6.0ヶ月 |
エージェント利用率は71.1%|金融出身者は80%が専門支援を利用
M&A業界への転職にあたりエージェントを利用したかを聞いたところ、「はい」が71.1%、「いいえ」が28.9%。7割以上の人が転職エージェントを活用しています。

(図表5:転職エージェント利用率/n=38)
出身業界別に見ると、金融出身者の利用率は80.0%と全体を約9ポイント上回る一方、事業会社・営業職出身者は68.4%。金融出身者ほど業界特化エージェントに頼る傾向が見られました。
利用したエージェント名を複数回答で聞いたところ、「リクルートエージェント」が50.0%、「JACリクルートメント」が42.1%と総合型の2社がトップ。続いて「リメディ」39.5%、「ヤマトヒューマンキャピタル」36.8%、「ムービンストラテジックキャリア」34.2%とM&A・金融に強い特化型エージェントが並びました。総合型と業界特化型の併用が定着していることがわかります。

(図表6:利用した転職エージェントTOP8/複数回答可・n=38)
| 転職エージェント | 利用率 |
|---|---|
| リクルートエージェント | 50.0% |
| JACリクルートメント | 42.1% |
| リメディ | 39.5% |
| ヤマトヒューマンキャピタル | 36.8% |
| ムービンストラテジックキャリア | 34.2% |
エージェントを使ってよかった点について、経験者からは以下のような声が集まりました。
「各社の強みを教えてくれたこと。業界内での立ち位置、経営者の考え方を教えてくれたことで雰囲気がある程度掴めた」(30代・男性・銀行出身)
「異業種なので情報がまったくない中で、各社の特徴を教えてもらえた。ゆえに複数社への面談ではなく、1社に決めてトライできた」(30代・男性・機械メーカー出身)
一方で、エージェントを使わなかった人の理由も明確です。
「まずは自分で企業を調べて、それぞれの特性を勉強したかった。偏ることなく、幅広い視野で会社を探したかった」(30代・女性・銀行出身)
内定先はベストパートナーズ・日本M&Aセンター・M&Aキャピタルが上位
内定をもらった会社を複数回答で聞いたところ、「M&Aベストパートナーズ」が28.9%でトップ。次いで「日本M&Aセンター」18.4%、「M&Aキャピタルパートナーズ」13.2%、「経営承継支援」10.5%が続きました。業界大手と専業特化型の両方に内定が広がっているのが特徴です。

(図表7:内定をもらった会社TOP10/複数回答可・n=38)
| 会社名 | 内定獲得率 |
|---|---|
| M&Aベストパートナーズ | 28.9% |
| 日本M&Aセンター | 18.4% |
| M&Aキャピタルパートナーズ | 13.2% |
| 経営承継支援 | 10.5% |
入社を決めた理由としては、「業種特化による専門性」「インセンティブ体系」「個人に与えられる裁量の大きさ」「経営陣への共感」が多く挙がりました。
「業種特化、勢いがある、個人に裁量がある、幹部メンバーの考え方への共感」(30代・男性・銀行出身)
「専門性の高い仕事を経験させてもらえるだけでなく、福利厚生も充実していた」(40代・男性・コンサル出身)
転職活動で最も苦労したのは「志望動機の言語化」と「業界知識の壁」
Q12「転職活動で最も苦労した点」を自由記述で聞いたところ、未経験ゆえの苦労が集中しました。
最も多かったのは「なぜM&A業界なのか」を言語化する難しさ。
「現職での知識不足による面が大きく、同業他社から転職する人に比べて転職理由を明確にする必要があった」(30代・男性・銀行出身)
「なぜM&A業界に行きたいのか、別の業界ではだめなのかという点を説明するのに苦労した。この質問はよく受けて、回答が難しかった」(20代・男性・信用金庫出身)
次に多かったのが、専門用語・業界常識のキャッチアップ。
「まず、専門用語が違う部分を理解するのが大変だった。次に業界の常識を理解するのが大変だった」(50代・男性・銀行出身)
「全く知らない業界だったため、業界研究が大変だった。各社の特徴も分からないので企業選びも難しかった」(30代・男性・MR営業出身)
異業種からの転職では、書類選考の壁を感じた声もありました。
「これまでのキャリアと全く異なるので、多くの企業では書類選考すら通らなかった」(40代・女性・人材紹介業出身)
転職後の年収は69%がアップ|1年経過で84%に拡大、金融出身は中央値120
転職時点での年収変動を聞いたところ、「前職より年収が上がった」人が69.0%、「下がった」人が27.6%、「同額」が3.4%。中央値は前職比110%となりました。

(図表8:転職時の年収変動/n=29・外れ値除外)※極端な値(前職比40%未満/250%超)は入力誤りの可能性があるため集計から除外しました。
さらに、転職から1年以上経過した回答者に現在の年収を聞いたところ、UP率は84.0%にまで拡大。中央値も前職比120%に上昇しました。入社直後より1年経過後の方が年収の伸び幅が大きくなるのは、成果連動型の報酬体系が浸透していることの表れです。

(図表9:転職1年後の年収変動/n=25・外れ値除外)
出身業界別に見ると、金融出身者の中央値は120%(UP率85.7%)と最も高く、事業会社・営業職出身者は中央値110%(UP率66.7%)。前職の業界・給与水準が転職後の年収伸び幅に影響することがわかります。
「給料が低くて悩んでいたところ、M&A業界に転職した友人が転職1年目から1千万円稼いでいることを知ったのがきっかけ」(30代・男性・事業会社の経営企画出身)
転職後に新たな課題を感じた人は44.7%|出身業界で開きが大きい
Q14「転職後に新たに生まれた課題はあるか」では、「はい」が44.7%、「いいえ」が55.3%。4割超が転職後にキャッチアップの壁を経験しています。
出身業界別で見ると、コンサル出身者の75.0%、人材紹介出身者の66.7%が「課題あり」と回答。一方、金融出身者は30.0%と最も低く、出身業界の親和性によって転職後の負荷には大きな差が生じていました。
具体的な課題としては、経験・知識不足を指摘する声が多く見られます。
「特に大きな壁となっているのは、圧倒的な経験不足と専門知識の不足。案件の複雑さやスピード感に圧倒され、周囲の優秀な先輩たちとの差を痛感する日々」(30代・男性・法人営業出身)
M&A転職で最も重要なことは?経験者38名の結論
Q13「M&A業界への転職のために最も重要な点」を自由記述で聞いたところ、「覚悟・熱意」「論理的思考・コミュニケーション」「業界・財務知識」「ハードワーク耐性」の4つが頻出しました。
「成果が早く出なくても諦めずに積み重ねること、売主と買主にとってベストな形を模索し続けるスタンス、ハードワークできる人材、長い時間の労働を仕事と思わないタフさ、楽しめる事」(30代・男性・銀行出身)
「正確な業界知識と財務知識、理論的な思考。顧客接点時にある程度正確かつその場での計算ができる必要がある」(30代・男性・銀行出身)
「覚悟だと思います。あとは家族への説明責任を果たし、応援を得ることができるかだと思います」(30代・男性・MR営業出身)
また、「入社後のギャップを減らすための情報収集」の重要性を指摘する声もありました。
「入った後にギャップを感じないために、実際働いている人や、退職した人、転職エージェントに話をよく聞くことが大事」(30代・男性・MR営業出身)
まとめ|M&A転職を検討中の方へ
今回の調査からは、M&A業界への転職について以下のことが明らかになりました。
- 活動期間は「3ヶ月・3社」の短期決戦型が主流で、全体の55.3%が3ヶ月以内に内定を獲得
- エージェント利用率は71.1%、金融出身者はさらに80.0%と高く、業界特化型と総合型の併用が定着
- 転職時の年収UP率は69.0%、1年経過後は84.0%に拡大し、成果連動型の報酬が機能している
- 一方で、未経験者ほど「志望動機の言語化」と「業界知識のキャッチアップ」が壁になっている
経験者の声からは「事前準備・情報収集・覚悟」の3点が、M&A転職を成功させるキーワードとして浮かび上がりました。M&A業界への転職を検討している方は、まずは業界特化型の転職エージェントに相談し、自身のキャリアに合う会社選びから始めることをおすすめします。
※自由記述コメントは回答者の声を一部抜粋したものであり、全回答者の傾向をそのまま代表するものではありません。
調査概要
| 調査名 | M&A業界への転職に関する実態調査 |
|---|---|
| 調査対象 | M&A業界へ転職した経験のある20〜50代の男女 |
| 有効回答数 | 38名 |
| 調査期間 | 2024年7月18日〜2024年7月31日 |
| 調査方法 | インターネットによるアンケート調査(Questant) |
| 調査機関 | アドバイザーナビ株式会社 |
会社概要
| 会社名 | アドバイザーナビ株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町8-1 FinGATE TERRACE 6F |
| 代表者 | 代表取締役 平行秀 |
| 設立 | 2019年5月 |
| 事業内容 | M&A転職・金融キャリアに関する情報メディアの運営 |
| URL | https://ma-job.com |
アドバイザーナビ株式会社は、M&A転職を目指す方向けの情報メディア「M&A転職」を運営しています。M&Aアドバイザー・M&Aコンサルタントへのキャリアチェンジに役立つ情報を発信しています。
引用・参照ルール
本資料は、アドバイザーナビ株式会社が2024年7月に実施した調査データをもとに作成しています。引用・転載の際は、出典名の明記のうえ、調査元データを参照してください。
出典:アドバイザーナビ株式会社「M&A業界への転職に関する実態調査(2024年7月)」
※可能な場合は、会社名「アドバイザーナビ株式会社」に当社サイトURL(https://ma-job.com/)の貼付もお願いします。データ・数値の改変はご遠慮ください。※本調査はPRTIMESにて配信済みです。配信URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000108.000055969.html

