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【2024年7月調査】M&A業界への転職に関するアンケート調査

M&A転職・金融キャリアに関する情報メディア「M&A転職」を運営するアドバイザーナビ株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役:平 行秀)は、M&A業界へ転職した経験のある男女38名を対象に「M&A業界への転職に関する実態調査」を実施しました。

本記事では、転職動機・活動期間・エージェント利用状況・年収変化・苦労した点・求められる人材像について、調査データと経験者の声をもとに整理します。

※本調査はM&A業界へ転職した経験のある38名を対象としたアンケートです。業界全体の統計ではなく、経験者の傾向をつかむための参考データとしてご覧ください。

目次

本調査でわかったこと

主な調査結果
  • M&A業界への転職活動は、3ヶ月以内に内定を獲得した人が55.3%
  • 選考社数は中央値3社エージェント利用率は71.1%
  • 転職時点で69.0%が年収アップ、転職1年経過後は84.0%に拡大
  • 出身業界別では金融出身者の年収アップ率が85.7%と高い傾向。ただし母数が限られるため参考値
  • 転職活動で苦労した点は、志望動機の言語化業界・財務知識のキャッチアップに集中

M&A業界に転職した人の経歴|20〜39歳が約84%、前職は法人営業・金融が目立つ

今回の調査では、回答者の78.9%が男性21.1%が女性でした。年代別では25〜29歳が36.8%と最も多く、次いで30〜34歳と35〜39歳がそれぞれ21.1%。20〜39歳の若手・中堅層で約84%を占める結果となりました。

M&A業界転職経験者の年代と性別の回答者属性

(図表1:回答者属性 年代×性別/n=38)

前職の業界を聞いたところ、最多は「その他の法人営業出身者」で28.9%。次いで「銀行(都銀/地銀)」が15.8%、「コンサル業界」が10.5%と続きました。信用金庫・証券会社を含めた金融出身者は合計で26.3%です。

本調査では、法人営業経験者と金融出身者がM&A業界への転職者として目立ちました。ただし、調査対象は38名のため、すべてのM&A転職者の出身業界を代表するものではありません。

M&A業界転職経験者の前職業界トップ10

(図表2:前職業界TOP10/n=38)

M&A業界への転職理由|年収・裁量と事業承継への関心に分かれる

Q1「M&A業界に転職しようと思ったきっかけ」を50字以上の自由記述で聞いたところ、回答には大きく「年収・成果連動報酬への期待」「社会貢献・やりがい」の2つの軸が見られました。

「①年収アップ(成果主義)②自由に働きたい(個人の裁量大きい)③仕事のやりがい(社会的に貢献が大きい)④自身の成長(様々なスキルが身につく)」(20代・男性・証券会社出身)

「自分の努力次第でインセンティブを貰えるというのを、M&A業界に転職した知り合いから聞いたので年収アップのために転職した」(30代・男性・銀行出身)

一方で、事業承継への関心から転職を決めた声も見られました。中小企業庁の「2025年版 中小企業白書」では、休廃業・解散件数は2024年に約7万件となり、中小企業の経営者年齢も60歳以上が過半数を占めるとされています。こうした背景から、事業承継や中小企業支援に関心を持つ人がM&A業界を目指すケースがあります。

「事業承継に悩んでいる人が周囲にも数多くいましたので、その手助けができるようなことをしたいと思い転職しました」(30代・男性・法人営業出身)

「日本の企業が廃業している中、知財の消滅に危機感を感じ、中小企業の知財を守るため転職しました」(30代・男性・銀行出身)

年収・裁量への期待と、事業承継課題への関心。この2つが、本調査におけるM&A業界への転職理由の大きな柱として見えました。

M&A転職は3ヶ月以内の内定が55.3%|選考社数は中央値3社

転職活動開始から内定までの期間を聞いたところ、「1〜3ヶ月」が44.7%と最多で、「1ヶ月以内」も10.5%。3ヶ月以内に内定を獲得した人が55.3%を占めました。活動期間の中央値は3.0ヶ月で、本調査では短期間で内定に至った人が過半数でした。

※中央値とは、回答を小さい順に並べたとき中央にくる値です。極端な回答の影響を受けにくく、活動期間の実感をつかみやすい指標です。

M&A業界への転職活動期間の割合

(図表3:転職活動期間/n=38)

選考を受けた社数は「3社」が26.3%で最多、次いで「2社」が23.7%、「4〜5社」が23.7%。中央値は3社で、6社以上受けた人は10.5%にとどまりました。

M&A業界転職で選考を受けた社数の割合

(図表4:選考社数/n=38)

年代別で見ると、活動期間には差が見られます。25〜34歳の中央値が2.5ヶ月だったのに対し、35〜39歳は4.0ヶ月、40〜44歳は6.0ヶ月でした。年齢が上がるほど、これまでの実績や専門性とのマッチングを確認する時間が長くなる可能性があります。

年代活動期間の中央値
25〜34歳2.5ヶ月
35〜39歳4.0ヶ月
40〜44歳6.0ヶ月

※年代別の母数は限られるため、上記は参考値としてご覧ください。

エージェント利用率は71.1%|金融出身者は80.0%が利用

M&A業界への転職にあたりエージェントを利用したかを聞いたところ、「はい」が71.1%、「いいえ」が28.9%。7割以上の人が転職エージェントを活用していました。

M&A業界転職での転職エージェント利用率

(図表5:転職エージェント利用率/n=38)

出身業界別に見ると、金融出身者のエージェント利用率は80.0%で、全体を約9ポイント上回りました。一方、事業会社・営業職出身者は68.4%でした。金融出身者は、M&A業界との業務親和性や求人情報の比較を確認するため、エージェントを活用する人が多かった可能性があります。

利用したエージェント名を複数回答で聞いたところ、「リクルートエージェント」が50.0%、「JACリクルートメント」が42.1%と上位でした。続いて「リメディ」39.5%、「ヤマトヒューマンキャピタル」36.8%、「ムービンストラテジックキャリア」34.2%が並びました。

総合型の大手サービスだけでなく、M&A・金融領域で利用されるエージェント名も複数挙がっており、相談先を1社に絞らず情報収集している人が多い様子がうかがえます。

M&A業界転職で利用した転職エージェントTOP8

(図表6:利用した転職エージェントTOP8/複数回答可・n=38)

転職エージェント回答割合
リクルートエージェント50.0%
JACリクルートメント42.1%
リメディ39.5%
ヤマトヒューマンキャピタル36.8%
ムービンストラテジックキャリア34.2%

※複数回答のため、回答割合の合計は100%を超えます。

エージェントを使ってよかった点について、経験者からは以下のような声が集まりました。

「各社の強みを教えてくれたこと。業界内での立ち位置、経営者の考え方を教えてくれたことで雰囲気がある程度掴めた」(30代・男性・銀行出身)

「異業種なので情報がまったくない中で、各社の特徴を教えてもらえた。ゆえに複数社への面談ではなく、1社に決めてトライできた」(30代・男性・機械メーカー出身)

一方で、エージェントを使わなかった人からは、自分で情報を集めたいという声もありました。

「まずは自分で企業を調べて、それぞれの特性を勉強したかった。偏ることなく、幅広い視野で会社を探したかった」(30代・女性・銀行出身)

内定先の回答はM&Aベストパートナーズ・日本M&Aセンターなどが上位

内定をもらった会社を複数回答で聞いたところ、「M&Aベストパートナーズ」が28.9%で最も高く、次いで「日本M&Aセンター」18.4%、「M&Aキャピタルパートナーズ」13.2%、「経営承継支援」10.5%が続きました。

M&A業界転職で内定をもらった会社TOP10

(図表7:内定をもらった会社TOP10/複数回答可・n=38)

会社名回答割合
M&Aベストパートナーズ28.9%
日本M&Aセンター18.4%
M&Aキャピタルパートナーズ13.2%
経営承継支援10.5%

※複数回答のため、回答割合の合計は100%を超えます。上記は回答者が内定を得た会社の割合であり、各社の採用難易度や内定率を示すものではありません。

入社を決めた理由としては、「業種特化による専門性」「インセンティブ体系」「個人に与えられる裁量の大きさ」「経営陣への共感」などが挙がりました。

「業種特化、勢いがある、個人に裁量がある、幹部メンバーの考え方への共感」(30代・男性・銀行出身)

「専門性の高い仕事を経験させてもらえるだけでなく、福利厚生も充実していた」(40代・男性・コンサル出身)

M&A転職で苦労した点|志望動機の言語化と業界知識の壁

Q12「転職活動で最も苦労した点」を自由記述で聞いたところ、未経験からM&A業界を目指すうえでの苦労が多く見られました。

特に目立ったのは、「なぜM&A業界なのか」を自分の経験と結びつけて言語化する難しさです。

「現職での知識不足による面が大きく、同業他社から転職する人に比べて転職理由を明確にする必要があった」(30代・男性・銀行出身)

「なぜM&A業界に行きたいのか、別の業界ではだめなのかという点を説明するのに苦労した。この質問はよく受けて、回答が難しかった」(20代・男性・信用金庫出身)

次に多かったのが、専門用語・業界常識のキャッチアップです。

「まず、専門用語が違う部分を理解するのが大変だった。次に業界の常識を理解するのが大変だった」(50代・男性・銀行出身)

「全く知らない業界だったため、業界研究が大変だった。各社の特徴も分からないので企業選びも難しかった」(30代・男性・MR営業出身)

異業種からの転職では、書類選考の壁を感じた声もありました。

「これまでのキャリアと全く異なるので、多くの企業では書類選考すら通らなかった」(40代・女性・人材紹介業出身)

経験者の声からは、単に「M&Aに興味がある」と伝えるだけでなく、前職で培った営業力・財務知識・提案力・経営者との折衝経験などを、M&A業務でどう活かせるかまで整理する必要があることがわかります。

M&A転職後の年収は69.0%がアップ|1年後は84.0%に拡大

転職時点での年収変動を聞いたところ、「前職より年収が上がった」人が69.0%、「下がった」人が27.6%、「同額」が3.4%。中央値は前職比110%となりました。

M&A業界転職時の年収変動

(図表8:転職時の年収変動/n=29・外れ値除外)※極端な値(前職比40%未満/250%超)は入力誤りの可能性があるため集計から除外しました。

さらに、転職から1年以上経過した回答者に現在の年収を聞いたところ、年収アップ率は84.0%に拡大し、中央値も前職比120%に上昇しました。

入社直後より1年経過後の方が年収の伸び幅が大きくなる背景には、インセンティブなど成果連動型の報酬が影響している可能性があります。ただし、固定給・評価制度・インセンティブ条件は会社によって異なるため、転職前に報酬体系を確認することが重要です。

M&A業界転職1年後の年収変動

(図表9:転職1年後の年収変動/n=25・外れ値除外)

出身業界別に見ると、金融出身者の中央値は120%(年収アップ率85.7%)と高い傾向が見られました。事業会社・営業職出身者は中央値110%(年収アップ率66.7%)です。

※出身業界別の集計は母数が限られるため、参考値としてご覧ください。

「給料が低くて悩んでいたところ、M&A業界に転職した友人が転職1年目から1千万円稼いでいることを知ったのがきっかけ」(30代・男性・事業会社の経営企画出身)

転職後に新たな課題を感じた人は44.7%|専門知識の習得が課題

Q14「転職後に新たに生まれた課題はあるか」では、「はい」が44.7%、「いいえ」が55.3%。4割超が転職後に何らかの課題を感じている結果となりました。

出身業界別で見ると、コンサル出身者の75.0%、人材紹介出身者の66.7%が「課題あり」と回答。一方、金融出身者は30.0%と低い傾向が見られました。

ただし、出身業界別の母数は少ないため、割合だけで転職後の難易度を判断するのは避ける必要があります。実際には、財務知識・法人営業経験・経営者との折衝経験・入社後の教育体制などによって、キャッチアップの負荷は変わります。

具体的な課題としては、経験・知識不足を指摘する声が多く見られます。

「特に大きな壁となっているのは、圧倒的な経験不足と専門知識の不足。案件の複雑さやスピード感に圧倒され、周囲の優秀な先輩たちとの差を痛感する日々」(30代・男性・法人営業出身)

M&A転職で重要なこと|経験者38名が挙げた4つの準備

Q13「M&A業界への転職のために最も重要な点」を自由記述で聞いたところ、「覚悟・熱意」「論理的思考・コミュニケーション」「業界・財務知識」「ハードワーク耐性」の4つが頻出しました。

「成果が早く出なくても諦めずに積み重ねること、売主と買主にとってベストな形を模索し続けるスタンス、ハードワークできる人材、長い時間の労働を仕事と思わないタフさ、楽しめる事」(30代・男性・銀行出身)

「正確な業界知識と財務知識、理論的な思考。顧客接点時にある程度正確かつその場での計算ができる必要がある」(30代・男性・銀行出身)

「覚悟だと思います。あとは家族への説明責任を果たし、応援を得ることができるかだと思います」(30代・男性・MR営業出身)

また、「入社後のギャップを減らすための情報収集」の重要性を指摘する声もありました。

「入った後にギャップを感じないために、実際働いている人や、退職した人、転職エージェントに話をよく聞くことが大事」(30代・男性・MR営業出身)

M&A転職では、求人票に書かれた年収や職種名だけで判断するのではなく、担当する業界・案件規模・報酬制度・教育体制・入社後の評価基準まで確認しておくと、入社後のギャップを減らしやすくなります。

まとめ|M&A転職は短期決戦だが、情報収集と覚悟が欠かせない

今回の調査からは、M&A業界への転職について以下のことがわかりました。

調査から明らかになったこと
  • 活動期間は「3ヶ月・3社」の短期決戦型が目立ち、全体の55.3%が3ヶ月以内に内定を獲得
  • エージェント利用率は71.1%で、金融出身者は80.0%と全体より高い傾向
  • 転職時の年収アップ率は69.0%、1年経過後は84.0%に拡大
  • 一方で、未経験者ほど「志望動機の言語化」と「業界知識のキャッチアップ」が壁になりやすい

経験者の声からは、M&A転職を進めるうえで「事前準備・情報収集・覚悟」が重要であることが見えてきました。M&A業界への転職を検討している方は、まず自分の経験がM&A業務のどこに活かせるのかを整理し、あわせて各社の担当領域・報酬制度・教育体制・入社後の評価基準を確認しておくことが大切です。

※自由記述コメントは回答者の声を一部抜粋したものであり、全回答者の傾向をそのまま代表するものではありません。

調査概要

調査名M&A業界への転職に関する実態調査
調査対象M&A業界へ転職した経験のある20〜50代の男女
有効回答数38名
調査期間2024年7月18日〜2024年7月31日
調査方法インターネットによるアンケート調査(Questant)
調査機関アドバイザーナビ株式会社

会社概要

会社名アドバイザーナビ株式会社
所在地〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町8-1 FinGATE TERRACE 6F
代表者代表取締役 平 行秀
設立2019年5月29日
事業内容人材紹介業、富裕層とIFAのマッチング事業、IFAのコンサルティング事業、金融キャリア関連メディアの運営
コーポレートサイトhttps://adviser-navi.co.jp
運営メディアhttps://ma-job.com

アドバイザーナビ株式会社は、M&A転職を目指す方向けの情報メディア「M&A転職」を運営しています。M&Aアドバイザー・M&Aコンサルタントへのキャリアチェンジに役立つ情報を発信しています。

出典

アドバイザーナビ株式会社「【2024年7月調査】M&A業界への転職に関するアンケート調査」(公開日:2026年4月16日)
中小企業庁「2025年版 中小企業白書 第1部 第1章 第8節 開業、倒産・休廃業」
中小企業庁「2025年版 中小企業白書 第1部 第1章 第9節 事業承継」
アドバイザーナビ株式会社「COMPANY 企業情報」

この記事を書いた人

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