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【2026年5月最新】未経験でもM&A業界に転職できる?未経験者におすすめのM&A会社や活かせる資格を解説

この記事で解決できるお悩み
  • M&A業界への転職を考えているが、何から始めればいいのかわからない
  • M&A業界への転職難易度や、未経験でも評価される経験を知りたい
  • M&A業界の年収水準や、代表的な転職先候補を比較したい

M&A業界への転職は、高年収や専門性の高さを期待できる一方で、転職難易度も高い。経営者の重要な意思決定に関わる仕事であり、営業力・財務知識・論理的思考力・交渉力・守秘義務への理解など、幅広い能力が求められるためだ。

特に国内では、中小企業の事業承継や休廃業が大きなテーマになっている。中小企業庁の「2026年版 中小企業白書」では、2025年の休廃業・解散件数は67,949件、黒字の状態で休廃業・解散に至った企業の割合は49.1%と示されている。黒字企業の割合は低下傾向にあるものの、利益を出している企業でも事業継続が難しくなるケースは少なくない。

また、同白書では、2025年の中小企業における後継者不在率は50.8%、60歳以上の経営者は過半数を占めるとされている。後継者不在率は低下傾向にあるが、経営者の高齢化や事業の引き継ぎは、引き続き重要な課題である。

そのため、M&Aは単なる企業買収ではなく、事業承継・雇用維持・地域経済の維持に関わる選択肢になっている。こうした背景から、M&AアドバイザーやM&Aコンサルタントに関心を持つ人も増えている。

本記事では、M&A業界に転職するメリット、転職難易度、求められる能力、年収水準、代表的な転職先候補、転職活動で必要な対策を解説する。

目次

M&A業界への転職で最初に押さえるべき結論

まず、M&A業界への転職を検討する際に押さえるべきポイントを整理しておこう。

確認したいこと結論
転職難易度高い。
ただし、法人営業・金融・不動産・会計税務・コンサルなどの経験があれば、未経験からでも評価される可能性がある。
年収水準公的データでも高水準。
厚生労働省 job tagでは、M&A関連職に対応する職業分類の年収目安は1,134.6万円とされている。
向いている人経営者と信頼関係を築ける人、数字に強い人、成果にこだわれる人、守秘義務や倫理観を重視できる人。
注意点成果主義の要素が強く、案件の進行状況によって繁忙度が変わりやすい。
高年収だけを目的にするとミスマッチが起きやすい。
転職活動の進め方自分の実績を数値化し、会社ごとの業務範囲・報酬制度・育成体制を比較することが重要。

M&A業界は「高年収を狙える業界」というイメージが強いが、採用側は年収への期待だけではなく、顧客である経営者に対して価値を出せるかを見ている。転職活動では、これまでの実績を「M&A業務でどう再現できるか」まで言語化することが大切だ。

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M&A業界に転職するメリット

M&A業界に転職する主なメリットは以下の4つである。

  • 事業承継や成長戦略に関わる業界で、社会的なニーズがある
  • 平均年収が高く、成果次第で大きな収入を得やすい
  • 財務・税務・法務・経営など、幅広い専門性を身につけられる
  • 若手でも成果が給与・賞与に反映されやすい

事業承継ニーズがあり、業界の成長性に期待できる

M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略で、企業の合併や買収を意味する。大企業の成長戦略として行われるM&Aもあるが、国内の中小企業では、後継者問題を解決するための事業承継型M&Aも重要なテーマになっている。

中小企業庁の「2026年版 中小企業白書」では、中小企業の後継者不在率は低下傾向にあるものの、2025年でも50.8%と示されている。また、中小企業の経営者年齢の水準は依然として高く、2025年は60歳以上の経営者が過半数を占めている。

休廃業・解散件数は2024年の69,019件から2025年は67,949件に減少したが、依然として高い水準にある。さらに、黒字の状態で休廃業・解散に至った企業の割合は49.1%であり、業績が悪い企業だけが廃業しているわけではない。

利益を出していても、後継者がいない、事業を引き継ぐ人材が見つからない、経営者の高齢化が進んでいるといった理由で、事業継続が難しくなるケースがある。

M&Aアドバイザーは、こうした企業に対して譲渡先や買収先の探索、企業価値評価、条件交渉、契約締結、M&A後の統合支援などを行う。事業承継や企業成長の選択肢としてM&Aの認知が広がるほど、専門人材へのニーズも高まりやすい。

ただし、M&A市場は景気、金利、株式市場、金融機関の融資姿勢、法規制、各社の採用方針などにも影響を受ける。将来性がある一方で、常に案件が右肩上がりに増えると断定するのではなく、業界動向を継続的に確認することが重要だ。

平均年収が高く、成果次第で高収入を狙いやすい

M&A業界は、他の職種と比較して年収水準が高い傾向にある。理由は大きく3つある。

  • 企業価値評価、財務分析、契約、税務、法務など高い専門性が必要になる
  • M&Aの取引金額が大きく、成功報酬の金額も大きくなりやすい
  • 成果主義・インセンティブ制度を採用している企業がある

M&Aアドバイザーは、単に売り手と買い手を紹介するだけの仕事ではない。経営者の悩みを聞き取り、財務情報を読み解き、企業価値を整理し、相手候補を探し、条件を調整し、最終契約まで進める必要がある。

案件によっては、従業員の雇用、取引先との関係、金融機関との交渉、経営者保証、PMI(M&A成立後の経営統合)など、企業の将来を左右する重要な論点も扱う。その分、専門性と責任が大きく、報酬水準も高くなりやすい。

一方で、年収は固定給だけで決まるわけではない。会社によっては、基本給に加えて成約インセンティブや賞与が大きく影響する。高年収を実現できる可能性がある反面、成果が出るまでに時間がかかる場合や、入社後すぐに高収入にならない場合もある。

経営・財務・交渉を横断する自己成長の機会がある

M&A業界では、経営者と直接対話する機会が多い。相手は、会社を長年経営してきたオーナーや上場企業の役員、金融機関、士業、投資家などである。

そのため、表面的な営業トークでは信頼を得にくい。相手の事業内容、業界構造、財務状況、事業承継の悩み、買い手候補の戦略などを理解したうえで、論理的かつ誠実に提案する必要がある。

具体的には、以下のような知識・スキルを実務の中で磨いていくことになる。

領域身につくスキルの例
営業・交渉経営者への提案、条件交渉、関係者調整、クロージング
財務・会計財務諸表の読み解き、企業価値評価、収益性・安全性の分析
法務・税務契約書の基本理解、税務論点の把握、専門家との連携
経営理解事業モデル、競争環境、成長戦略、事業承継課題の整理
プロジェクト管理スケジュール管理、資料作成、デューデリジェンス対応、関係者調整

これらの経験は、M&A業界内でのキャリアアップだけでなく、投資銀行、PEファンド、事業会社の経営企画、CFO候補、独立などにも活かしやすい。

成果が給与・賞与に反映されやすい

M&A業界では、担当案件の成約や売上への貢献が給与・賞与に反映されやすい。年功序列よりも、成果や実力を重視する企業が多い点は大きな魅力だ。

特に、若手のうちから経営者に向き合い、案件獲得から成約まで関与できる会社では、短期間で大きく成長できる可能性がある。営業経験者にとっては、これまで培った提案力や目標達成力を活かしやすい環境だろう。

ただし、成果主義の環境では、案件が思うように進まない時期や、成果が出るまでのプレッシャーもある。高収入だけに注目するのではなく、評価制度、インセンティブの計算方法、担当業務の範囲、教育体制、案件供給の仕組みまで確認することが重要だ。

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M&A業界への転職難易度と求められる能力

M&A業界への転職難易度は高い。ただし、M&Aの実務経験がない人でも、前職での経験や実績を正しく伝えられればチャンスはある。

ここでは、以下の3点を解説する。

  • M&A業界への転職難易度
  • M&A業界に求められる人材
  • 年齢やキャリア背景が転職に与える影響

M&A業界への転職難易度は高いが、未経験でも可能性はある

M&A業界への転職難易度が高い理由は、主に以下の3つだ。

  • 経営者に信頼される営業力・人間力が求められる
  • 財務・会計・税務・法務などの専門知識が必要になる
  • 高年収を期待する応募者が多く、競争が激しい

M&Aアドバイザーは、経営者の人生や会社の将来に関わる仕事だ。売り手企業の経営者にとって、会社を譲渡することは大きな決断であり、買い手企業にとっても多額の投資判断になる。

そのため、採用側は「営業成績が良いか」だけでなく、「経営者と対等に会話できるか」「複雑な情報を整理できるか」「長期的な信頼関係を築けるか」「コンプライアンスを守れるか」まで確認する。

未経験者の場合、M&Aの実務経験がない点は不利になりやすい。しかし、以下のような経験は評価されやすい。

前職・経験M&A業界で評価されやすい理由
法人営業経営者・役員への提案経験、目標達成力、関係構築力を活かしやすい。
金融機関財務諸表、融資、事業承継、オーナー企業との接点がM&A業務と近い。
証券会社金融商品、マーケット、資産運用、富裕層・法人対応の経験が活きる。
不動産業界高額商材の営業、オーナー対応、資産評価、契約実務の経験を活かしやすい。
会計・税務財務分析、税務論点、企業価値評価の理解につながりやすい。
コンサルティング課題整理、仮説構築、資料作成、経営層への提案経験を評価されやすい。

重要なのは、前職の経験をそのままアピールするのではなく、「M&A業務でどのように再現できるか」まで伝えることだ。たとえば、法人営業経験者であれば、売上実績だけでなく、経営者の課題をどのように把握し、どのような提案で成果につなげたかを説明できると説得力が増す。

M&A業界に求められる人材とは

M&A業界で求められる人材は、単に営業力がある人ではない。成果を出すためには、営業力・専門知識・論理的思考力・倫理観のバランスが必要だ。

  • 経営者への営業・提案経験がある人
  • 財務諸表や企業価値評価に抵抗がない人
  • 複雑な情報を整理し、わかりやすく説明できる人
  • 粘り強く交渉し、関係者を調整できる人
  • 守秘義務やコンプライアンスを徹底できる人

厚生労働省 job tagでも、M&A関連職に必要なスキルとして「傾聴力」「交渉力」「説明力」「説得」「他者との調整」などが高く示されている。M&Aは、売り手・買い手・金融機関・士業・社内メンバーなど、多くの関係者が関わるプロジェクトであるため、調整力と説明力は欠かせない。

また、中小M&Aガイドライン第3版では、仲介者・FAの手数料説明、営業・広告、利益相反、最終契約後のリスク、経営者保証などの論点が整理されている。転職者にとっても、M&A業界では「売ればよい」という考え方ではなく、顧客の利益と適切なプロセスを重視する姿勢が求められる。

知識面では、以下のような資格が評価材料になることがある。ただし、資格を持っているだけで内定が決まるわけではない。実務で活かせる経験や成果とセットで伝えることが大切だ。

資格名称評価されやすい理由
1級ファイナンシャル・プランニング技能士資産運用、相続、事業承継、税金など、経営者やオーナーの課題に関係する知識を示しやすい。
CFP日本FP協会が認定するFP資格。富裕層・経営者の資産課題への理解を示しやすい。
CMA
(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)
企業財務、経済、資本市場、投資価値分析などの体系的な学習経験を示しやすい。
宅地建物取引士不動産を保有する企業や不動産業界のM&Aで、資産・契約への理解を示しやすい。
日商簿記2級商業簿記・工業簿記を通じて、財務諸表や原価計算への基礎理解を示しやすい。
中小企業診断士経営診断・助言に関する知識を示しやすく、中小企業支援との親和性がある。

資格はあくまで補助材料である。採用面接では、資格を取った理由、学んだ内容をどう実務に活かすか、過去の成果とどうつながるかまで説明できるようにしておきたい。

M&A業界では年齢よりもキャリアの中身が重視される

M&A業界への転職では、年齢そのものよりも、これまでのキャリアで何を経験し、どのような成果を出してきたかが重視される。

ただし、年齢や社会人経験年数によって採用側が期待する内容は変わる。若手であればポテンシャルや営業成果が評価されやすい一方、30代以降では即戦力性、マネジメント経験、専門性、経営者対応経験なども見られやすい。

キャリア段階見られやすいポイント
20代前半〜中盤営業成果、学習意欲、素直さ、行動量、数字への強さ。M&A未経験でもポテンシャル採用の可能性がある。
20代後半〜30代前半法人営業や金融営業での再現性ある成果、経営者対応経験、財務知識の習得姿勢。
30代半ば以降即戦力性、業界知見、マネジメント経験、専門分野、難易度の高い顧客対応経験。
40代以降M&A実務経験、経営層とのネットワーク、特定業界での専門性、組織運営や案件責任者としての経験。

未経験でM&A業界を目指す場合は、年齢を気にしすぎるよりも、現職での成果を数値化し、M&A業務に必要な能力と結びつけることが重要だ。

たとえば、法人営業であれば「年間売上」「目標達成率」「社内順位」「新規開拓件数」「経営者商談数」「平均単価」「継続率」などを整理する。金融機関出身であれば「担当法人の規模」「融資提案」「事業承継相談」「財務分析」「オーナーとの関係構築」などを具体化するとよい。

また、M&A業務では短期間で知識を吸収する必要があるため、資格取得や財務学習の実績は成長意欲のアピールにもなる。ただし、関連性の低い資格を多く並べるより、M&A業務に直結する知識をどのように学び、どう使うかを説明する方が評価されやすい。

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M&A業界への転職で期待できる給与水準

M&A業界は高年収を期待しやすい業界だが、年収は会社・職種・成果・案件規模・報酬制度によって大きく変わる。ここでは、公的データと主要M&A仲介企業の公表情報をもとに、給与水準を整理する。

公的データで見るM&A関連職の年収目安

厚生労働省の職業情報提供サイト job tagでは、「M&Aマネージャー、M&Aコンサルタント/M&Aアドバイザー」の賃金や労働条件の目安が掲載されている。

スクロールできます
項目数値補足
年収目安1,134.6万円令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした数値。
ただし、対応する職業分類の統計であり、M&A関連職のみの平均とは限らない。
平均年齢39.4歳同職種に対応する全国データ。
労働時間月162時間全国データ。
案件状況によって繁閑差が出やすい。
就業者数82,920人令和2年国勢調査をもとにした数値。
ハローワーク求人賃金月額28.3万円令和6年度の求人賃金。
高額インセンティブを含まない求人もあるため、年収目安とは見方が異なる。

公的データ上でも、M&A関連職に対応する職業分類の年収目安は高い。ただし、この数字は職種全体の目安であり、すべての転職者が同じ年収を得られるわけではない。

M&A業界では、基本給に加えてインセンティブや賞与が年収に大きく影響することがある。特に仲介会社では、案件の成約件数、取引規模、担当範囲、個人の売上貢献度によって年収差が出やすい。

そのため、求人を見る際は「想定年収」だけで判断せず、基本給、固定残業代、インセンティブの計算方法、支給タイミング、最低保証、評価期間、案件配分の仕組みまで確認する必要がある。

主要M&A仲介企業の平均給与・公表年収を比較

主要M&A仲介企業の平均給与・公表年収を比較すると、いずれも高水準であることがわかる。ただし、会社ごとに公表資料の対象範囲や集計方法が異なるため、単純比較には注意が必要だ。

会社名公表されている平均給与・年収確認時の補足
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社2,265.8万円2025年9月期有価証券報告書の提出会社平均年間給与。
賞与・基準外賃金を含む。
株式会社日本M&Aセンター1,271.0万円日本M&Aセンターグループ統合報告書2025のデータセクションに記載された平均給与。
株式会社ストライク1,521.0万円2025年9月期有価証券報告書の平均年間給与。
賞与・基準外賃金を含む。
株式会社M&A総合研究所2,800万円超採用特設サイトに記載された平均年収。
有価証券報告書上の平均給与とは集計対象が異なるため、比較時は注意が必要。

上記のように、M&A仲介会社では平均給与が1,000万円を超える企業もある。ただし、平均値は高年収の社員によって押し上げられることがある。入社直後の年収、未経験者の初年度年収、成果が出るまでの期間は会社ごとに異なる。

転職時には、平均年収だけでなく、以下の点を確認しておきたい。

  • 未経験入社時の基本給と想定年収
  • 成約インセンティブの計算方法
  • 案件獲得から成約までの担当範囲
  • 個人案件とチーム案件の評価配分
  • 固定残業代・労働時間・繁忙期の働き方
  • 入社後の教育体制や案件供給体制

年収に影響を与える要因とキャリアイメージ

M&A業界で年収に影響を与える要因は、主に以下の4つである。

要因年収への影響
ポジションアソシエイト、アドバイザー、マネージャー、部長など、役割が上がるほど責任と報酬が大きくなりやすい。
案件規模取引金額が大きい案件ほど成功報酬も大きくなり、インセンティブに影響しやすい。
担当範囲ソーシングのみ、マッチングのみ、一気通貫など、担当範囲によって評価や報酬設計が異なる。
会社の制度固定給重視か、インセンティブ重視か、チーム評価か個人評価かで年収の安定性が変わる。

M&A業界のキャリアは、一般的に以下のようにステップアップしていく。

ポジションキャリアイメージ
エントリーポジションM&A未経験者が基礎知識を学び、資料作成、企業分析、アポイント獲得、候補先探索などを担当する段階。
アドバイザー経営者との面談、提案、条件調整、プロジェクト進行など、案件の中心業務を担う段階。
マネージャー複数案件の管理、若手育成、重要顧客対応、チーム売上の責任を担う段階。
上級ポジション大型案件や難易度の高い案件の責任者となり、経営者・士業・金融機関との高度な交渉を行う段階。
独立・経営層M&A会社の経営、FA・仲介会社の立ち上げ、事業会社の経営企画やCFOなどへ展開するケースもある。

高年収を目指すには、単に案件数を追うだけでなく、企業価値評価、交渉、業界知見、コンプライアンス, PMIなどの専門性を高めることが重要だ。長期的には「成約できる人」だけでなく、「顧客から信頼され、再現性ある成果を出せる人」が評価されやすい。

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M&A業界の転職先候補|代表的なM&A仲介会社6社

M&A業界で転職先を選ぶ際は、企業名や平均年収だけで判断しないことが大切だ。M&A仲介会社ごとに、案件獲得の方法、担当範囲、報酬制度、教育体制、強い業界、コンプライアンス体制が異なる。

まずは、以下の観点で比較しておこう。

比較軸確認ポイント
報酬制度基本給、インセンティブ、賞与、固定残業代、入社初年度の想定年収。
担当範囲一気通貫型か、分業型か。ソーシング、マッチング、エグゼキューションのどこを担当するか。
案件獲得経路金融機関、会計事務所、独自ネットワーク、Web集客、直接営業など。
得意業界中小企業全般、製造、建設、医療、IT、不動産、物流など。
教育体制未経験者研修、OJT、資料作成支援、ナレッジ共有、資格取得支援。
コンプライアンス中小M&Aガイドラインへの対応、利益相反管理、情報管理、契約説明体制。

ここでは、代表的なM&A仲介会社として以下の6社を紹介する。

  • 株式会社日本M&Aセンター
  • 株式会社ストライク
  • 株式会社M&A総合研究所
  • SBI 辻・本郷M&A株式会社
  • 株式会社M&Aベストパートナーズ
  • M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社

株式会社日本M&Aセンター

株式会社日本M&Aセンターは、中堅・中小企業のM&A仲介で豊富な実績を持つ企業だ。2025年10月には、M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取り扱い企業として、2020年から5年連続でギネス世界記録に認定されたと発表している。2024年の取扱件数は1,088件である。

特徴としては、主に以下の4つが挙げられる。

  • 中堅・中小企業のM&A支援実績が豊富
  • 317の地域金融機関、1,111の会計事務所、約1,700の士業者などと連携
  • 業界・地域をまたいだ幅広いマッチングが期待できる
  • M&A成立後のPMI支援にも力を入れている

日本M&Aセンターは、会計事務所や地域金融機関とのネットワークを強みとしている。中小企業の事業承継案件では、地域の金融機関や税理士との接点から相談が生まれることも多いため、ネットワークの広さは大きな強みになる。

転職先として見る場合は、豊富な案件実績やネットワークを活かしてM&Aの基本から実務まで学びたい人に向いている。一方で、大手企業であるため、部署や役割によって担当範囲が異なる可能性がある。選考時には、自分がどの業務を担当するのか確認しておきたい。

株式会社ストライク

株式会社ストライクは、創業以来3,400件以上のM&A成約を創出してきたM&A仲介会社である。オンラインM&A市場「SMART」を運営している点も特徴だ。

特徴としては、主に以下の3つが挙げられる。

  • 創業以来3,400件以上のM&A成約実績がある
  • 譲渡希望企業向けに、基本合意まで着手金・企業価値算定費用・月額報酬が無料
  • 1998年に開設されたインターネット上のM&A市場「SMART」を運営している

ストライクでは、相談、企業価値算定、買収候補の提案、条件交渉、基本合意の締結まで無料で対応する料金体系を打ち出している。売り手企業にとって、初期費用の負担が少ない点は相談しやすさにつながる。

また、SMARTはインターネットを活用した相手先探索の仕組みである。転職先としては、実績ある上場企業でM&A仲介を学びたい人や、オンラインを活用したマッチングにも関心がある人に向いている。

株式会社M&A総合研究所

株式会社M&A総合研究所は、テクノロジーを活用した業務効率化や、譲渡企業向けの完全成功報酬制を打ち出しているM&A仲介会社である。

特徴は、主に以下の3つだ。

  • 譲渡企業からは成約まで費用を受け取らない完全成功報酬制を採用
  • DXやAIを活用し、マッチングや事務作業の効率化を進めている
  • スピード感のあるM&A支援を強みとしている

採用サイトでは、テクノロジーを活かして業務を効率化し、アドバイザーが顧客対応に集中できる体制を整えていると説明されている。また、M&Aアドバイザーの職種では、対象企業の発掘、提案、条件交渉、企業評価、デューデリジェンスのサポート、エグゼキューションなどを担当する。

転職先としては、スピード感のある環境で成果を出したい人、成果主義の報酬制度に魅力を感じる人、ITや仕組み化を活用したM&A業務に関心がある人に向いている。

SBI 辻・本郷M&A株式会社

SBI 辻・本郷M&A株式会社は、中堅中小企業の事業承継に係るM&Aアドバイザリー業務や、M&A・事業承継に関するコンサルティング業務を提供している企業である。

会社概要では、SBIグループと辻・本郷グループの関連会社が示されており、金融と税務・会計のネットワークを背景に持つ点が特徴だ。

主な特徴としては、以下の3つが挙げられる。

  • SBIグループと辻・本郷グループのネットワークを背景に持つ
  • 中堅中小企業の事業承継に関するM&A支援を行う
  • M&Aおよび事業承継に関するコンサルティング業務も提供する

金融機関との接点や税務・会計の論点に関心がある人にとって、SBI 辻・本郷M&Aは検討しやすい転職先の一つである。特に、銀行・証券・税理士法人・会計事務所・コンサルティング会社出身者は、前職の知識や顧客対応経験を活かしやすい可能性がある。

株式会社M&Aベストパートナーズ

株式会社M&Aベストパートナーズは、業界特化型のM&A仲介会社である。公式サイトでは、製造、建設、不動産、医療・ヘルスケア、物流、ITのM&Aにおいて多数の実績があると説明されている。

特徴としては、主に以下の3つが挙げられる。

  • 製造、建設、不動産、医療・ヘルスケア、物流、ITに特化している
  • 業界特化の専任アドバイザーが一気通貫でサポートする
  • 本社に加え、札幌・名古屋・大阪・広島・福岡・沖縄などに支店を展開している

業界特化型の会社では、担当する業界の商流、収益構造、買い手候補、設備投資、許認可、労務課題などを深く理解することが重要になる。そのため、製造業、建設業、不動産業、医療・ヘルスケア、物流、ITなどの経験がある人は、業界知識を活かしやすい。

転職先としては、特定業界に強みを持ちたい人、地方企業の事業承継支援に関心がある人、業界知見を活かしてM&Aに挑戦したい人に向いている。

M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社

M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社は、M&A仲介事業を行う会社である。公式サイトでは、着手金・中間金無料の完全成功報酬型であることや、初期段階から成約まで専任のM&Aアドバイザーが担当することが示されている。

特徴としては、主に以下の3つがある。

  • 着手金・中間金無料の完全成功報酬型を採用
  • 初期段階から成約まで専任アドバイザーが担当
  • 公認会計士・税理士などの資格保有者や専門チームがサポート

同社の会社概要では、役職員数254名(2026年5月1日時点)と示されている。専門チームと連携しながら、M&A仲介を行う体制を整えている企業の一つである。

転職先としては、一気通貫型の支援に関心がある人、成長中の組織で裁量を持ちたい人、専門チームと連携しながらM&A実務を経験したい人に向いている。

金融機関出身のエージェントが担当

M&A業界への転職に必要な対策

M&A業界への転職では、一般的な転職活動以上に「実績の数値化」「志望理由の具体化」「業界理解」「面接対策」が重要になる。

ここでは、以下の3点を解説する。

  • M&A業界への転職面接のポイント
  • 履歴書・職務経歴書の準備
  • M&A業界に詳しい転職エージェントの活用

M&A業界への転職面接のポイント

M&A業界の面接では、以下のような点が見られやすい。

  • なぜM&A業界を志望するのか
  • なぜその会社を選ぶのか
  • これまでの成果に再現性があるか
  • 経営者と信頼関係を築けるか
  • ハードな局面でも主体的に行動できるか
  • コンプライアンスや守秘義務を理解しているか

特に重要なのは、志望動機の深さである。「高年収だから」「成長できそうだから」だけでは不十分だ。M&Aのどの部分に価値を感じるのか、自分の経験をどう活かせるのか、その会社でなければならない理由は何かを具体的に伝える必要がある。

また、面接では「これまでの営業実績」だけでなく、その成果を出すためにどのような行動をしたかも問われる。採用側は、過去の成功が偶然ではなく、M&A業界でも再現できるものかを確認している。

自己PRでは、以下の流れで整理すると伝わりやすい。

項目話す内容
課題どのような顧客課題・営業課題があったのか。
行動どのように仮説を立て、何を実行したのか。
成果売上、達成率、順位、受賞歴、改善率などを数字で示す。
再現性その経験をM&A業務でどう活かせるのかを説明する。

たとえば、法人営業経験者であれば「新規開拓で成果を出した」だけでなく、「どの業界の経営者に、どのような仮説を持って提案し、どのような数字につなげたのか」を説明する。金融機関出身者であれば、融資提案や事業承継相談を通じて、経営者の財務課題にどう向き合ったのかを伝えるとよい。

さらに、M&A業界では守秘義務や情報管理も重要だ。顧客情報、買い手候補、財務情報、交渉内容など、機密性の高い情報を扱うため、面接でも倫理観や慎重さを見られることがある。

面接対策では、転職エージェントや業界経験者に模擬面接を依頼し、回答が抽象的になっていないか、数字で説明できているか、志望理由に一貫性があるかを確認しておきたい。

履歴書・職務経歴書の準備

M&A業界の書類選考では、職務経歴書の完成度が重要だ。採用担当者は、限られた情報から「この人は経営者に向き合えるか」「数字に強いか」「成果を再現できるか」を判断する。

職務経歴書では、以下の3点を意識しよう。

  • 営業実績や成果を数字で示す
  • M&A業務に活かせる経験を強調する
  • 自己PRでは成果の再現性を説明する

前職別に、職務経歴書で整理したい内容は以下のとおりだ。

経験書くべき内容
法人営業売上、達成率、社内順位、担当企業数、経営者商談数、新規開拓件数、平均単価。
金融機関担当企業規模、融資提案、財務分析、事業承継相談、オーナー経営者との接点。
証券会社富裕層・法人対応、資産運用提案、相続・事業承継相談、目標達成率。
不動産営業高額商材の成約実績、オーナー対応、契約調整、資産評価、法人顧客対応。
会計・税務決算書分析、税務相談、事業承継支援、顧問先対応、財務改善提案。
コンサル経営課題の整理、資料作成、経営層への提案、プロジェクト管理、成果指標。

保有資格については、M&A業務との関連性が高いものを優先して記載する。たとえば、日商簿記2級、宅地建物取引士、CFP、CMA、中小企業診断士などは、財務・不動産・資産承継・経営支援の知識を示しやすい。

ただし、資格欄を充実させるだけでは不十分だ。採用担当者に響くのは、「資格を通じて何を学び、実務にどう活かせるか」である。たとえば、日商簿記2級であれば「財務諸表を読む基礎を身につけ、法人営業で顧客の収益構造を理解する際に活かした」と説明できるとよい。

自己PRでは、営業成績や資格を並べるだけでなく、成果を出すための考え方を示すことが重要だ。M&A業務では、案件獲得から成約まで長いプロセスを粘り強く進める必要があるため、自分で課題を見つけ、行動を改善し、成果につなげた経験を具体的に書こう。

M&A業界に詳しい転職エージェントの活用

M&A業界への転職を検討する場合、M&A業界に詳しい転職エージェントを活用することも選択肢の一つである。

M&A業界は、会社ごとの報酬制度、担当範囲、案件獲得経路、採用基準、育成体制が大きく異なる。外から見ただけでは、求人票に書かれている「M&Aアドバイザー」という職種名が同じでも、実際の業務内容が異なることがある。

たとえば、ある会社では案件の発掘から成約まで一気通貫で担当する一方、別の会社ではソーシング、マッチング、エグゼキューションが分業されていることがある。報酬制度も、固定給が高めの会社、インセンティブ比率が高い会社、チーム評価を重視する会社などに分かれる。

転職エージェントを活用する際は、以下の点を確認したい。

確認項目見るべきポイント
M&A業界の支援実績どの会社への転職支援実績があるか。未経験者の支援実績があるか。
出身業界別の理解金融、証券、不動産、法人営業、会計など、自分の経験をどう評価されるか説明できるか。
企業ごとの選考情報面接で見られるポイント、過去の質問、通過しやすい自己PRを把握しているか。
求人の質年収だけでなく、担当範囲、教育体制、働き方、評価制度まで説明できるか。
書類・面接対策職務経歴書の添削、模擬面接、志望動機の整理まで支援してくれるか。

特に未経験からM&A業界を目指す場合、自分の経験がどの会社で評価されやすいのかを見極めることが重要だ。証券会社出身者、不動産営業出身者、銀行出身者、法人営業出身者では、アピールすべき実績や応募先の選び方が変わる。

転職活動を効率的に進めるためにも、求人票の年収だけで判断せず、業務内容・評価制度・カルチャー・選考難易度を含めて比較するようにしよう。

金融機関出身のエージェントが担当

M&A業界への転職はアドバイザーナビに相談しよう

本記事では、M&A業界に転職するメリット、M&A業界への転職難易度と求められる能力、M&A業界における給与水準、代表的な転職先候補、転職活動に必要な対策について解説した。

M&A業界は、高年収を狙える一方で、求められる水準も高い業界である。経営者への営業力、財務・会計の知識、論理的思考力、交渉力、守秘義務への理解など、幅広い能力が必要になる。

また、M&A仲介会社ごとに、担当範囲、報酬制度、案件獲得経路、得意業界、育成体制は異なる。平均年収や知名度だけで応募先を選ぶと、入社後にミスマッチが起きる可能性がある。

そのため、M&A業界への転職を検討している人は、自分の経験がどの会社で評価されやすいのか、どのような選考対策が必要なのかを整理したうえで転職活動を進める必要がある。

アドバイザーナビに相談する際も、M&A業界だけでなく、証券業界、不動産業界、ベンチャー企業などと比較しながら、自分の経験が活きる選択肢を確認するとよい。

履歴書・職務経歴書や自己PRの作成方法に不安がある場合は、早い段階で相談し、応募先ごとの評価ポイントを整理しておこう。

金融機関出身のエージェントが担当

出典

厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「M&Aマネージャー、M&Aコンサルタント/M&Aアドバイザー」
中小企業庁「2026年版 中小企業白書(令和7年度 中小企業の動向 令和8年度 中小企業施策)」
中小企業庁「事業承継を知る」
中小企業庁「中小M&Aガイドライン」
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社「2025年9月期 有価証券報告書」(提出日:2025年12月24日)
日本M&Aセンターグループ「統合報告書2025 データセクション」
株式会社ストライク「2025年9月期 有価証券報告書」
株式会社M&A総合研究所「採用特設サイト」
株式会社M&A総合研究所「採用サイト 募集要項」
日本M&Aセンターグループ「日本M&Aセンター、M&A成約件数のギネス世界記録™に5年連続で認定」(公開日:2025年10月6日)
日本M&Aセンター「M&Aネットワーク」
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